●かんべえの不規則発言



2025年5月 





<5月1日>(木)

〇今日、ちょっとだけショックだったこと。「飯田浩司のOK!Cozy Up!」に出た際に老眼鏡をかけていたら、撮られた写真のワシはまるで石破さんみたいであった。


https://x.com/cozy1242/status/1917702062000988438 



〇余計な話をひとつ。昨日のコメンテーターが鈴木一人教授で、明日の出演が宮家邦彦さん。この3人、誕生日がとても近いです。そのせいか、なんとなく近しいものを感じております。


<5月2日>(金)

●米が関税で「合意枠組み案」提示 車・鉄は交渉外の意向、日本は反発


日米両政府が米首都ワシントンで1日(日本時間2日)に開いた関税交渉に合わせ、米国側が合意に向けた「枠組み案」を提示したことが分かった。相互関税を主な対象とし、自動車や鉄鋼・アルミニウムの関税引き下げに難色を示す内容だった。日本側は強く反発し、閣僚協議の場で一連の措置の包括的な見直しを改めて求めた。


〇そりゃーまーそうだろうな、とは思う。大統領が勝手に税率をいじれるのは相互関税(IEEPAが根拠)の方であって、鉄鋼アルミと自動車関税は通商拡大法232条に根拠を置いている。後者は簡単には変えられない。この程度のことは、先日、意見交換した某自動車会社の方も言っていた。「失望した」とか言ってる方が世間知らずである。

〇逆に言えば、IEEPAを軸とする相互関税は、それくらいいい加減なスキームなので、この際、徹底して揺さぶった方がいい。それは世のため人のため、アメリカ国民の為でもあるし、ひどい税率を課せられているベトナムやカンボジアの為にもなる。

〇幸いにも日本側は慌てる理由がない。せいぜい「6月中旬のG7の際の日米首脳会談で大枠合意にこぎつけられれば勿怪の幸い」くらいである。対外的には、「あのおとなしい日本でさえ、難色を示している」というトーンで受け止められる方が良いだろう。

〇こうなると赤沢大臣が(ご本人曰く)「格下の格下」で、単なる御用聞きくらいにしか見えないのはかえって好都合かもしれない。この先もトランプ政権にとって、前途は山あり谷ありですから。その間に物価が上がってくれればいいのですけどね。

〇それにしても、トランプ政権で最初にクビになった幹部がマイケル・ウォルツNSAとは驚きました。ここはヘグセス国防長官を飛ばすべきでしょう。もっとわからないのは、クビにしたウォルツをそのまま国連大使に指名したこと。議会承認が得られるかどうか、上院民主党は手ぐすね引いて待っていると思いますぞ。


<5月3日>(土)

〇昨日、ラジオNikkeiに行ったら、中野雷太アナウンサーにお目にかかった。「お久しぶりです」と言いつつ、「でも、お声はいつも(競馬中継で)聞いてます」と言ったら、「私も飯田浩司さんの番組で聴いてます」(たまたま前日がワシの出番だった)と美しく返されてしまった。

〇でもって新しい名刺を頂戴したのだが、なんと「取締役」にご昇進されていた。おおおお、そうだったのか。それは責任重大。でも、実況中継はずっと続けてほしい。中野さん、圧倒的に上手いんだもん。

〇放送(交流戦)のお相手は大関旬アナウンサーである。打ち合わせしている時は普通の話し方なのに、マイクを前にすると急に声が通るようになるのはこの職業ならではか。小生のつたないコメントをいちいち深掘りしてフォローしていただきました。ということで、本命はマイネルエンペラーなんです。

〇それから、いつもは電話インタビュー(市場関係者の眼)でご一緒している岸田恵美子さんと、めずらしく放送でご一緒する。そしてこのパワーフレーズがある。


「マーケットがお休みの週末は、どうぞ競馬でお楽しみください」


〇ええ、そうしますとも。連休ですけど、遠出の予定はありませんから。「春天」の予想は、いつも通り上海馬券王先生をご参照ください。


<5月4日>(日)

〇昨日は乃木坂にあるサントリー美術館の『酒呑童子ビギンズ』という展示を見てきたんですよね。これがムチャクチャ面白かったのであります。

〇「酒呑童子伝説」にはいろんなバリエーションがあるわけですが、その中でも基本となったのが室町時代に出来た「酒呑童子絵巻」でありまして、小田原北条氏が所有していたものが、江戸時代になって広がったようであります。現在はサントリー美術館が所蔵していて、これの解体修理が終わって大公開されているのですよ。

〇絵巻物、というとこれはもうほとんど「マンガ」の原型ですな。しかも「正体不明のおっかない酒呑童子」、「それを倒しに行くミッションを与えられる源頼光」、「頼光を支える渡辺綱などの四天王」、「鬼たちの内部事情を教えてくれる洗濯女」・・・という展開が、まるでよくできたロールプレイングゲームである。

〇しかも続編として「酒呑童子はどうして誕生したのか」というアナザー・ストーリーがあって、これがまるでアナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーになってしまう『スターウォーズ』みたいに哀しいお話しなのである。あなかしこ、あなあなかしこ。

〇どうもわれわれは、「面白い物語設定」「キャラづくり」「絵と文字の組み合わせ」について長い歴史を有しているらしい。本邦「マンガ」の歴史は手塚治虫に始まるけれども、それには長いながいプロローグがあった様子である。サントリー美術館グッジョブ!と申し上げたい。

〇それにしても都内の美術館、いろいろあって飽きないものがあります。根津美術館では国宝の「燕子花図」(光琳)を展示していて、しかも日本庭園では本物のかきつばたが咲き誇っております。ちょっと混んでるけどねえ。


<5月5日>(月)

〇今ごろになって見てきましたですよ。『機動戦士ガンダム ジークアクス』劇場版を。柏シアター、上映の1時間前にネットでチケットを買った際には10席分くらいしか売れていなかったが、行ってみたら結構な客数であった。

〇冒頭、懐かしい音楽とともに、「宇宙世紀ダブルオーセブンティーナイン」というナレーションが聞こえてくる。ああ、もうそれだけでワシの脳内は大学生の頃に戻ってしまう。「ガンダム」に使われる効果音はあの当時と変わっていないのだ。ただしシャア少佐の声は変わっている。そりゃそうだ。見ているワシが還暦を過ぎているように、声優さんたちも年を取るのだ。

〇それにしてもガンダムワールドである。いちいち説明がないところが好ましい。「ミノフスキー粒子」って、アンタ当然、分かっているよね、という不親切設計である。キシリアやマグべが出てくるのは今さら驚かないが、「寒い時代だと思わんか」のワッケイン司令が出てくる。フラナガン博士が出てくる。しまいにはミライさんに振られたカムラン主席補佐官まで出てくる。

〇でまあ、コロガリのいいドラマなのである。テレビアニメシリーズの冒頭部分なのだ。早速、アマプラでエピソード3まで一気見してしまう。ああ、久しぶりにアニメの世界に浸っている。しかもガンダムワールドがエヴァンゲリオン風の絵で展開するのだから堪えられない。

〇てなわけで、この連休、たいしたことはしていないのだが、3日連続で全く仕事を考えていないのは清々しいものである。明日になったら少しはニュースにも気を付けるべきであろうか。

〇あ、そうそう、これだけは言っておかねば。米津玄師、アンタは本当に天才だ。痺れるわ。


<5月6日>(火)

〇明日発売のPHP『Voice6月号』にこんな特集が掲載されます。いいメンバーで、いいコンテンツが揃ったんじゃないかと自画自賛しております。どこかでお目に留まれば幸いであります。


特集1:トランプ・ショック、日本経済の勝ち筋
「開かれたジャパン・ファースト」を目指せ
吉崎達彦
38p
よみがえる「昭和16年」日米交渉の悪夢
滝田洋一
48p
サービス収支赤字10兆円時代の足音
唐鎌大輔
56p
友好国との共同研究が経済を強くする
戸堂康之
64p
対内直接投資拡大に必要な施策と変革
大槻奈那
72p
脱炭素に勝つ自動車産業「伝家の宝刀」
池田直渡
80p
現実に即したエネルギー安全保障の解
保坂 伸
92p



〇ハッキリ言って日本経済、3月末までと4月以降で雰囲気がガラリと変わったんじゃないかと思います。3月までは「イケイケ」で、物価も上がるけど賃金も上がるので、何とかなるさという感じだった。4月以降は急に自信がなくなってきて、成長見通しは下方修正で、日銀の利上げもどこかへ行ってしまったかの様子。

〇こんな中で、どうやって「日本経済の勝ち筋」を見出すか。具体策はさておいて、精神的には「開かれたジャパン・ファースト」であるべきだと思うんですよね。「トランプ何するものぞ」という心意気でなければなりませぬ。


<5月7日>(水)

〇またしてもGrok 3との対話を試みている。


Q:機動戦士ガンダムのシャア役の声優、池田秀一氏はなぜ新作ジークアクスには出ていないのでしょうか?


A:「機動戦士ガンダム ジークアクス」におけるシャア・アズナブルの声優が池田秀一氏から新祐樹氏に交代した理由について、公式な発表では明確な「降板理由」は明言されていません。ただし、複数の情報源から推測される背景は以下の通りです。

(1) 新世代のシャア像の構築

「ジークアクス」は、宇宙世紀の「もしもシャアがガンダムを奪い、ジオンが勝利していたら」というパラレルワールドを描く作品であり、従来のシャア像を刷新する意図があったとされています。制作側は「新世代のシャア」を描くため、より若い声質や柔軟な演技スタイルを持つ新祐樹氏を起用し、成長過程にある等身大のシャアを表現することを目指したようです。

(2)池田秀一氏の高齢化

池田秀一氏は1949年生まれで、2025年時点で75歳です。2020年には体調不良による一時休業が報じられたこともあり、長期的なシリーズ継続を考慮した自然な世代交代が行われた可能性があります。ただし、池田氏自身は「機動戦士ガンダム The Origin」など最近の作品でもシャア役を続けており、完全な降板ではない点に注意が必要です。

(3)パラレルワールドの設定による自由度

「ジークアクス」は正史とは異なるIFストーリーであり、キャスト変更が物語の独自性を強調する手段として用いられた可能性があります。ファンの間では、この設定が声優交代を受け入れやすくする要素として機能しているとの意見も見られます。

(4)ファンの反応と制作意図

新祐樹氏の起用に対し、SNSでは「池田さんのシャアが良かった」という声がある一方、「新祐樹氏の若いシャアも魅力的」「リスペクトを感じる演技」と肯定的な意見も多く、制作側の意図が一定程度受け入れられているようです。新氏はインタビューで、池田氏のシャア像を尊重しつつ新たな表現を模索したと語っています。

結論

池田秀一氏が「ジークアクス」に出演していない直接的な理由は公式に発表されていませんが、制作側の「新世代のシャア像を構築する」方針、池田氏の高齢化による世代交代の考慮、そしてパラレルワールド設定によるキャスト変更の自由度が主な背景と考えられます。池田氏は他のガンダム作品でシャア役を継続しており、「ジークアクス」特有のクリエイティブな選択肢として新祐樹氏が選ばれたと捉えるのが妥当です。

もしさらに詳しい情報や特定のソースを確認したい場合、または関連するファンの反応を深掘りしたい場合は教えてください!


Q:面白いですね。私はガンダムのオールドファンとして、声が違ったのが残念に感じましたが、本来の名セリフ、「認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを」などは、それほど違和感なく受け止めることができました。


A:ハハ、ガンダムのオールドファンとしてのその気持ち、めっちゃ分かります!池田秀一さんのあの低く渋い声で「認めたくないものだな・・・・」を初めて聞いた時の衝撃は、今でもガンダム史に刻まれてますよね。新祐樹さんのシャアがその名セリフを言ったときに「違和感が少ない」と感じられたのは、新さんが池田さんのシャア像にリスペクトを込めつつ、若いシャアのエネルギーを上手く表現したからかもしれませんね!

「ジークアクス」のIF設定だと、シャアの年齢感や置かれた状況がオリジナルとちょっと違うから、新さんの声が「若さゆえの過ち」にマッチしてる部分もあるのかなって思います。とはいえ、やっぱり池田さんのシャアは唯一無二の存在感。オールドファンとしては、「次は池田さんでまたシャアが見たい!」って願っちゃいますよね。

もしよかったら、どのガンダム作品やシャアのシーンが特に心に残ってるか教えてください!オールドファンの熱い語り、聞きたいです!


〇あいかわらずの馴れ馴れしい口調であるが、ついつい引き込まれてしまう。しかしまぁ、さすがはAIで、何でもよく知ってるわなあ。というか、既に多くの他のガンダムファンが散々この議論をやった後だからこうなるのであろう。

〇ちなみにシャアの名セリフは数々あれど、白眉はやはり「坊やだからさ」であろう。ワシ的には、宇宙での戦闘中の「当たらなければどうということはない」も好きである。ちなみに「ジークアクス」では、「見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを」が出現する。新祐樹さん、ここでもいい演技をしていると感じました。









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編集者敬白




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by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)