●かんべえの不規則発言



2026年7月 






<7月1日>(水)

〇久々に国内便を使う出張である。ということで浜松町の駅に行く。はて、モノレール乗り場が新しくなっている。とはいうものの、まだまだ未完成であって、いったいいつまで工事をしておるのか。貿易センタービルはいつになったら完成するのだろう?

〇羽田空港に到着すると、乗り場が48番ゲートになっているのでガックリ来る。どういう罰ゲームかよ、というくらいに遠い。以前はよく地下の100番台ゲートに回されて、バスで移動というときにガックリ来たものだが、昨今はバスの運転手さんを手当てするのも大変だと見えて、乗客が歩かなければならないのである。

〇で、ところで今日のワシはどこへ行くのだったっけ、というと行先は宮崎である。いかんのう、これから向かう場所について、何の予習もしていないではないか。宮崎に行くのは確か3回目だったか4回目だったか。そうでなくても地方出張が多いうえに、毎週の大阪通いがある。とにかくしょっちゅう新幹線に乗っている気がするぞ。

〇などと、ぼやいているうちに宮崎ブーゲンビリア空港に到着する。そこからタクシーに乗って、フェニックスが並ぶ道を一路宮崎市へ。そうだ、この広い道路、広い空、南国風の樹木に明るい人たち。これぞ宮崎。予習してなくても、だんだん思い出してくるのである。

〇ところで皆さん、春季キャンプで宮崎県を訪れる球団がいくつあるか、ご存じでしょうか。読売巨人軍の青島キャンプは有名でしょうが、答えはこちらをご参照。なんと二軍を入れると、半分以上の球団が宮崎に来ているのである。ちなみにソフトバンクホークスは、去年優勝したからちゃんと1月に宮崎市内でパレードをやっている。こんなに野球チームが身近な県は、ほかにないのではあるまいか。

〇タクシー運転手さん曰く。「王さん、長嶋さんが監督をやっていた頃は、キャンプを見に来る人が3万人、4万人。ヘタな試合よりも多かったですよ」。なるほど、そういうものであったか。しかも野球だけじゃなくて、最近はサッカーやラグビーチームまでキャンプにやってくる。キャンプ地と言えば、最近は沖縄も多いですけれども、あそこはビミョーに雨が多かったり、移動に時間がかかったりするし、物価の安さも考えると宮崎の優位性は揺るがないのであります。

〇ということで、お昼はその昔、長嶋さんがよく通ったという釜揚げうどん屋さんへ。並800円にお稲荷さん100円なり。案の定、当地を訪れた野球選手の写真が一杯飾ってあるお店でありました。

〇さて、仕事であります。会場は宮崎観光ホテルで、大淀川のすぐ近くにある。そうそう、最初に宮崎に来た時に泊まったのはここだった。20年以上前のことなんだけど、入った温泉の風景まで思い出してしまう。人間の記憶って不思議です。球団ではオリックスさまご一行の定宿です。

〇考えてみれば、ここまで来て日帰りというのはいかんです。講演会と懇親会を終えて、午後7時に空港に向かうのですが、空が明るいことに感動を覚えましたな。ここは南国。


<7月2日>(木)

〇今日の午前中は良く降りましたな。もうこれぞ「梅雨」という感じ。もちろん歓迎するものではありませぬが、それでもこれで首都圏の水ガメは満たされるだろうし、気温も低めになるのは良いことです。ここ数年、この時期はもう暑い!という年が続いておりましたからなあ。

〇今年は猛暑を欧州が引き受けてくれたようで、エアコンのないお土地柄だけに大変だそうです。ありがたいことに日本には、エアコンもあればアイスコーヒーもある。これがなかったらこの季節は過ごせません。そうね、後は水羊羹があるといいですなあ。

〇この年になって、不意に感じるのは「紫陽花っていいな」ということであります。ウチの近所にはアジサイを植えている家が多くて、雨に濡れている風情はなかなかに良いものです。そしてまた、アジサイは花言葉が「浮気」であるように、同じ木でもどんどん色が変わる。よく見ると、青っぽいものもあれば赤っぽいものもある。この変化が楽しいのですよね。

〇まあ、なにしろ挿し木で勝手に育つという生命力の強い植物であります。園芸の初心者でも簡単に育てられるから、あちこちで見かけるのでありましょう。梅雨こそは生命の源、と考えればいいのかもしれませぬ。


<7月3日>(金)

〇今月の日経新聞「私の履歴書」は谷内正太郎さんである。のっけから外務省に入省して「燃えるような愛国心をもって勉強せよ!」という話である。でもって7月2日は日中関係で、本日3日は日韓関係である。ディープな話が続いて、とっても重い。今月は毎朝、居住まいを正して日経新聞を読まなければなりません。

〇日本経済新聞はもちろんよく考えていて、「私の履歴書」に登場する人にもいろいろあるのです。だって2月にお願いする人は、明らかにほかの月よりも回数が少ないですからね。7月にお願いする人は、31日まで書いてもらえる(ただし新聞休刊日が1回ある)。つまり今月お願いする人は、満を持しての登場ということになるのです。この後、どんな話が飛び出すか、楽しみにしたいと思います。

〇谷内さんは、富山中部高校の大先輩である。たぶん明日の回くらいでは、いきなり意表をついて立山連峰がどうのこうのという話が飛び出して、少年期の話になるんじゃないかなあ。もっともその先には、若い頃に師事したという若泉敬氏の話が出てくるかもしれません。日本外交史における重要証言が飛び出すことに期待しております。

〇でまあ、どういう計らいであるのか、本日は母校のお招きを受けて、富山県民会館ホールにて現役の高校生700人くらいを相手に一席ぶたなければならないことになりました。今日はちょうど期末試験が終わったタイミングだったのね。中には睡眠不足の人もいたことでしょう。よいよい、寝ていて構わんのだよ。試験の後は、ワシも覚えがあるもん。

〇で、何を話せばいいかといろいろ考えて、「『好き』と出会うこと」というテーマにしました。人生、いろんな目的がある。谷内さんのように、国家に尽くすことは文句なしに素晴らしい。世の中を少しでも良くしたい、という思いも貴重です。もっと下世話なことでも構わない。有名になりたいとか、お金持ちになりたいでも全然構わない。

〇いろんな目的がある中で、自分が心から好きだと思えることを仕事にする以上の喜びはないと思います。だって自分が好きなことは、どんな苦労も苦労とは感じないから。それで周囲から評価されて、ついでにおカネになったりすればまことに儲けもの。ワシなんぞは自分が好きなことばっかりやってきたから、本当にラッキーな人生を歩んできました。お陰で大きな病気をすることもなかったし、メンタルを病んだりすることもなかった。本当にありがたいことです。

〇ただし自分が何を「好き」になるのかは意外と難しい。それは自分自身がどんどん変化していくから。若いときの「好き」が、死ぬまで続くかどうかはわからなんのです。みんながみんな、大谷翔平になれるわけではないですから。だから試行錯誤しながら、自分が何を好きになるかを探していくほかはない。

〇てなことを1時間弱で話し終えたら、現役の生徒さんたちからいっぱい質問をもらいました。いいですねえ。高校生が、大人をなめている感じが特にうれしかったです。それでこそわが後輩たち。頼もしいなあ、と感じましたです。

〇ビックリしたんですけれども、明日からアメリカに行ってホームステイする、という生徒さんたちがいるのですね。OB会の尽力や、県からの支援もあって、そういうプログラムが組まれているとのこと。いいですなあ。がんばれよお、と伝えたいと思います。


<7月4日>(土)

〇アメリカの250回目の独立記念日であります。こんな駄文を寄稿いたしました。


●アメリカ版「七人の侍」になるのか?これから上院共和党の「無敵の七人」がトランプ政権を揺さぶるかもしれない


〇米上院に「YOLO議員団」なるものができている、というお話を、溜池通信風に仕上げたものであります。

〇さて、アメリカウォッチャー業界では、最近、訪日したパトリック・デニーン氏の言動が注目を集めております。


●日経新聞:トランプ後は「築く」政治へ パトリック・デニーン氏 (7月1日)by 秋田浩之氏


●朝日新聞:米国の自由主義は失敗した ポスト・リベラルの支柱が語る保守の行方 (7月3日) by 池田伸壹氏


〇朝日の方の記事で、宇野重規教授がデニーン氏を鎌倉に案内したときのことが紹介されている。


妻と一緒に視察した小学校の給食に最も強烈な印象を受けました。それは私の国のカフェテリアとは全く違うものでした。幼い子どもたちが自分たちの教室で白いエプロンをつけて、同級生のためにチキンカレーを盛りつけて配膳し、全員に行き渡るまで静かに待ち、声をそろえて感謝の言葉を発する。リベラルな個人主義ではなく、義務や奉仕、相互の尊敬、そして共同体がそこには息づいていました。まさに文字どおり『民主主義の小学校』であり、私はそこに確かな『過去の現存』を見たのです」


〇アメリカのリベラリズムは失敗だった、というのが昨今の「右派」の認識でありますが、そうではない理想が日本の学校給食の中に残っていた、という。池田記者が鋭く「トックビルが旅した頃のアメリカのように?」と突っ込んで、「私は実在する日本の小学校に、これからのポスト・リベラリズムの可能性を感じました」というコメントを引き出している。

〇上は、「米国の新右翼は、何かというと日本社会を理想化する」という好例じゃないかと思います。まあ、われわれからしてみれば、学校給食というのはいろいろ面倒くさいことも多くて、「コミュニタリアン社会って、結構息苦しいんですよぉ」と言いたくなるところです。要するに、社会はある程度の「しがらみ」をキープしておいた方がいい、みたいな話だと思いますが、さても昨今のアメリカは難儀なのであります。


<7月6日>(月)

〇思えば先週月曜日の深夜遅く(火曜日の未明)に、われらがサムライブルーはブラジルの前にくだけ散ったのであった。切なる喪失感でありました。しかるにW杯はまだ続いている。ベスト16なんて、もう甲子園でいえば準々決勝みたいな好カードばっかりじゃないですか。アメリカの独立記念日にベスト16が揃うという仕掛けは、誰か頭のいい人が考えたんでしょうなあ。

〇しかもアメリカはここまで比較的楽なグループを勝ち抜き、初戦はボスニア・ヘルツェゴビナ。なんかちょっと恵まれてませんか。いや、開催国ってのはそういうもんで、「これはほんの初歩だよ、ワトソン君」と言われてしまいそうである。だったら大統領がFIFAにねじこんで、選手のレッドカード取り消させる、なんてのは止めた方がいいんじゃないですかねえ。

〇そして今朝はノルウェーがブラジルを粉砕しました。頭と左足、2発連続で決めたハーランドって、つくづくバケモンですなあ。それからサポーターたちの"Viking Row"というのが、まるでオールブラックスの「ハカ」みたいで、とってもいいじゃないですか。

〇名将アンチェロッティ監督は、後半になってネイマールを投入しましたが、大勢を変えるには至らず。最後のPKはオマケみたいなものでしたな。なるほどねえ、あんな風にすればブラジルに勝てるのか。でも、時すでに遅し。

〇今日はワシが大阪に通って授業をしている間に、イングランドがメキシコを破っておりました。NHK Oneの2分ハイライトを見ると、えらい接戦じゃないですか。え?しかも明日は午前4時からポルトガル対スペイン(@ダラス)、午前9時からはアメリカ対ベルギー(@シアトル)なんですって。ううむ、見たい、みたいぞ。

〇得点王がメッシ、エムバペとハーランドが7点で並び、ケインが6点で追う、という展開も凄過ぎです。W杯はやっぱり面白いっす。


<7月7日>(火)

〇今日は早起きしてスペイン対ポルトガル戦を観る。いずれも甲乙つけがたし。さすがはイベリア半島の宿敵同士。ロナウドとヤマルが互いにチャンスをうかがうが、なかなか得点にはつながらない。いやもう、これぞサッカー。

〇幕切れはロスタイムにあっけなく。勝ったのはスペインであった。4年後の大会はスペイン・ポルトガル・モロッコの共同開催だが、最初に姿を消したのはポルトガルであった。ロナウド41歳もここでW杯最後となる。お疲れさまでした。

〇そしてアメリカ対ベルギー。アメリカのFWフォラリン・バログンが、前回の対ボスニア・ヘルツェゴビナ戦のレッドカードで出られないはずが、トランプ大統領がFIFAにねじ込んで判定を取り消してしまった。馬鹿だねえ、そんなことしたらアメリカが勝っても、後からいちゃもんをつけられるだけなのに。

〇案の定、今日の試合は4対1でベルギーが圧勝。アメリカにも日本とよく似た「ベスト16の壁」みたいなものがあって、その先になると自分から勝手につぶれてしまうところがあるらしい。日米ともに、女子サッカーはかなり強いんですけどねえ。男子はどうもいまひとつなのでした。

〇ところでバログン選手は実は三重国籍なんです。ご両親はナイジェリア人で、英国ロンドンに住んでいたところ、たまたまアメリカに渡って帰ろうとしたときに、奥様が妊娠中だったために航空会社から搭乗を拒否され、それでNYで生まれたのがバログン選手25歳なんですね。生まれたのが「9/11」事件直前の7月でありましたから、もうちょっと後であったら果たしてどうなっていたことやら。

〇ですからバログン選手は、アメリカにおける「バースライツ・シチズンシップ」(出生市民権)を有している。トランプさんはこれを制限しようとして、大統領令を出したものの、それはつい先日の6月30日に最高裁に却下されたところである。しかも6対3の大差であり、トランプさんが指名した2判事も多数意見でした。出生市民権は合衆国憲法修正14条にはっきりそう書いてあるのだから、これに挑戦することはそもそも無理だったと思います。ということで、今回のトランプさんはいったいどこからツッコんでいいのかわからない。

〇ちなみにバログン選手、本当はイングランド代表選手になりたかったらしい。とはいえ、そっちは選手層が厚過ぎるから、やむを得ずアメリカ代表を選んだら、変なことで悪目立ちしてしまった。まことにお気の毒であります。

〇現在、アメリカには欧州から大勢のサッカーフリークが訪れていて、「なあんだ、来てみたらアメリカって意外といいとこじゃん!」となっているらしい。もっともその理由が、「エアコンがあるって素晴らしい」とか、「ウォルマートみたいなでっかいスーパーは見たことない」なんてレベルだったりするのだが、今度の試合ですっかりアメリカが評判を落としてしまった。2026年北米大会は、カーボベルデの奮闘ぶりで記憶されるのかと思ったら、またまたトランプさんの横車で記憶されることになりそうです。

〇さて、明日朝はニッポン放送”OK! Cozy Up!"に登場いたします。果てさて、どんな話題を振られるのやら。


<7月8日>(水)

〇本日は講演会で甲府へ。はて、ここへ来るのはいつ以来か。山梨県富士吉田市には2022年に来ているが、甲府市は2016年12月以来であった。そうか、ほぼ10年ぶりであったか。確かシャトレーゼの社長さんにお目にかかった覚えがある。

〇今回驚いたのは、「よっちゃん食品工業(株)」の社長さんがいらしたことである。ええっ?駄菓子屋の定番、「よっちゃんイカ」って、山梨県の会社だったの?海なし県なのに?・・・もともとはスルメ加工から始まったそうですが、今では全国的な知名度を持つに至っておられます。

〇考えてみたら、山梨県から巣立った食品産業は多いのである。ワイン関連は言うに及ばず、サントリーの白州蒸留所はもちろん山梨県北杜市である。ははあ、なるほど。

〇帰ってきてみたら、IMFのWEOが改訂されていた。ああ、また講演会のデータを更新しなければ。今回は若干の下方修正のようですね。しかし、トランプさんがまた剣呑なことを言っていて、イランとの停戦にも暗雲が立ち込めているような。それって、W杯でアメリカチームが負けたからじゃないですよね?


<7月9日>(木)

〇本日は大和証券の機関投資家セミナーへ。今回で95回目、というから歴史ある会合である。全国の金融機関の担当者が200人くらい居ただろうか。しかも同数くらいのリモート参加者も居るというからまことに油断がならない。

〇大和証券なので、木野内栄治さんとか壁谷洋和さんとか、お馴染みの方々が主催者側である。ビックリしたのは、谷栄一郎さんから「初めまして」と言われたことである。あれれれれ?モーサテファミリーでしょ?と思ったら、そらそうだ、『プロの眼』に出るエコノミストは一緒に出る機会がないのである。逆に『きょうの株は』に出るストラテジストの皆さんとは順繰りに会うことになる。そうかそうか、リアルでは会ってなかったのでした。

〇本日は、「トランプ政権下の米国と日本経済」というテーマで講師を務める。トランプさんが急に「イランとの停戦は終わったと思う」などと言い出すものだから、事前に作っていたストーリーが危うくなってしまう。とはいうものの、「トランプとブッシュJr.とクリントンは同じ年」という話は受けていたようだ。われながら相も変わらぬ政治漫談の世界である。

〇当たっても誰も褒めてくれない。外れても誰も怒らない。まさに「トランプ占い」の世界である。ワシ的にはそれはいつものことなんだが、機関投資家の皆様はリターンという形で結果が伴うことになる。まして今は金利も上昇して、地方金融機関の中には含み損を抱えておられるところもあるはず。心中お察し申し上げます。

〇終わったら懇親会である。会場の「ザ・プリンス・パークタワー東京」は今回初めて行ったのだけど、バンケットの料理が非常によろしかった。ステーキなんて、帝国ホテル以上ではないかなあ。全国各地の金融機関さんとお話ができて、いつもながらこういう機会はまことにありがたいものです。


<7月10日>(金)

〇今日の溜池通信を出してホッとしたのだが、あらためて気づくと今月はなんでこんなことになっているのか。2日に1度は国内出張している感じである。


7月1日(水) 宮崎

7月3日(金) 富山

7月6日(月) 大阪

7月8日(水) 甲府

7月12日(日) 福島

7月13日(月) 大阪

7月15日(水) 松本


〇実は今月後半も似たようなペースであったりする。大丈夫か、ワシ。そんな中で最大の楽しみは、今週末の七夕賞(福島競馬場)である。今年でいったい何回目になるのかなあ。

〇ということで、今宵は「福島田辺新聞」を見て研究中である。高橋さんに会ってじかにお話しできる、というのも今から楽しみであります。


<7月11日>(土)

〇今宵は高校の同窓会である「東京神通会」へ。240人出席。まことに盛会である。

〇県立富山中部高校は年に1度の体育大会で、全校生徒が青龍・白虎・朱雀・玄武に分かれて、これが3年間続くことになっている。ワシは青龍団だったのだが、こんな団歌である。


見よや見よ青龍の栄は 昇る日の光に満ちて

鉄腕の一度鳴れば 忽ちにひれ伏す彼ら


〇青龍団、昨年は数十年ぶりの総合優勝だったとか。これは「椿事」と言われている。青龍団は「陸上ボート」だけはかならず勝つが、優勝はできないということになっておる。

〇てなことで、参加者は4つに分かれて、それぞれの団歌を唄うのである。ちなみに本校OBの先輩でいうと、谷内正太郎さんや横井裕大使も青龍団なんですよ。

〇先日、さる理由によって、筑波大学アメフト部の応援歌を聞く機会があった。するとこれがまったく同じ曲で、詩がちょっとだけ違っていた。おそらく日本中にこういった応援歌があるんでしょうなあ。たぶん旧制高校の時代に、こういう詩を書く人が日本中におったのでしょう。

〇個人的には、玄武団のこの詩が割と好きである。これもきっと同工異曲が日本中にあるのだと思います。ちょっとアナクロなところが、いいじゃないですか。


立山颪吼ゆる日も 炎熱鉄をとかす日も

不撓不屈の心もて 鍛えし腕の雄々しさよ


<7月12日>(日)

〇朝、イングランド対ノルウェー戦を途中まで見て、後ろ髪を引かれる思いで家を出る。目指すは福島駅である。目指すは毎年恒例の七夕賞である。ただしノルウェーはその後、残念な結果となったのでありました。

〇福島市内は昨晩は大雨だったとのことで、本日の馬場は適度に荒れている。ただし今日の天候はかろうじてもってくれている。なにしろ七夕なんだから、そうでないと困るのである。同好の士が三々五々と集まってきて、今年の旅打ちの参加者は6人。馬券王先生やTAROさんも合流である。

〇福島駅にて購入した本日の福島民報の競馬欄を開くと、「七夕賞 田辺夏の福島重賞連勝へ 55キロ ナイスショー有利」とある。アスクナイスショーは2番人気。鞍上の田辺騎手は福島県二本松市出身。先日の「ラジオNikkei杯」も勝っているので、「福島重賞の連勝」が懸かっている。このあたり、「福島田辺新聞」の面目躍如である。

〇とはいうものの、ワシの買い目は1番人気のカラマティアノスからなのである。だって年頭の中山金杯を、7番人気だったこの馬で取らせてもらっているんだもん。「1年の計は金杯にあり」というからには、七夕賞もこれで行きたいじゃないですか。

〇ところが結果は、アスクナイスショーが後続に2馬身半の大差をつけて圧勝。2着には6番人気のマイネルモーント。ここまでは普通なんだけど、3着には2年連続で、今年は15番人気だったオニャンコポンが入ったのでありました。3連複6万8290円、3連単22万3050円という、いかにも福島競馬らしい決着となったのでした。

〇恒例の反省会で高橋利明記者に聞きますと、今日の福島競馬場は皆がインを避けるものだから、意外と荒れていなかった。そこでコースをよく知る田辺騎手が、先行させて「イン突き」したのが大正解。逆にカラマティアノスは、本来は「イン突き」を得意とする岩田康騎手が馬場の中央を選んだことが災いして7着。なるほど、地元出身が味方した、という結果であったようです。

〇毎年のことながら、なかなか勝たせてくれない福島競馬。それでも今年もいっぱい笑って泣いて、濃密な喜怒哀楽のときを味わうことができました。ああ、楽しかった。


<7月13日>(月)

〇今日も大経大へ。そろそろ新幹線通勤に飽きてきたので、本日は気分転換に空路を試してみました。全日空で羽田から伊丹空港へ。羽田混雑で出発が少し遅れたけど、まあ、この辺は想定の範囲内というものである。

〇伊丹空港からは大阪モノレールに乗る。普通であれば千里中央駅まで行って、そこから御堂筋線に乗り換えるのであるが、最近のワシは大阪の地理がわかってきたので、蛍池駅で阪急線に乗り換えるのである。そこから梅田行きに乗る。

〇そして十三(じゅうそう)駅で下車。関西における交通の要所である。どうでもいいことだが、昔よく読んだ阿佐田哲也『麻雀放浪記』には、「十三デブ」という脇役が登場する。阿佐田作品には、「ドサ健」とか「出目徳」とか「ダンチ」とか「ガン牌の清水」とか、キャラの立った登場人物(しかも巧みな命名)が多いのだが、「十三デブ」も名前が上手いと思うのだ。いかにも関西の手強い打ち手、って感じがするじゃないですか。

〇て、十三駅で京都行きに乗り換えると、目指す上新庄駅に着くのである。しかしこんな風に毎週、阪急線に乗っていると、いままで「タカラヅカ」には何の関心もなかったワシが、「この『ポーの一族』はちょっと見てみたいかも・・・」などと考えるようになっているのは恐ろしいことである。だってポスターにあるエドガー・ポーツネルが、あんまりそれらしいんだもの。

〇ということで、上新庄駅に到着。先週は雨で日和ってタクシーに乗ってしまったが、本日はあまりに蒸し暑いのでまたまた負けて大経大までタクシーを使ってしまう。600円也。今朝の東京は雨でひんやりしてたんですけどねえ。

〇で、帰りも伊丹空港へ。ところが帰りの便はいきなり1時間遅延となってしまう。最近の羽田空港は夕方の時間帯があまりにも混雑するので、嫌な予感はしていたのであるが、まあ、仕方がないですなあ。来週はまた、新幹線に戻りましょうかねえ。
















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編集者敬白




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by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)