<8月2日>(日)
〇もうひとつだけ富山の話題を。あの八村塁が富山に帰ってくる!というイベントがあります。
●富山ホームカミング
開催日程:2026年8月22日(土)14:00−15:30
開催場所:YKK AP
アリーナ(現・富山市総合体育館)
〇富山市のプロバスケットチーム「富山グラウジーズ」のホームグラウンドが現在改装作業中で、10月からはYKK APアリーナになるんだそうで、その前祝いもかねてということのようです。
〇最近、「吉崎さんは富山ではどちらの出身なんですか?」と聞かれると、いつも「奥田小学校、奥田中学校ですから、あの八村塁と同じです」と答えるようにしております。それがいちばん通りが良いもので。
〇八村君は、「NBAに入ってから初めての里帰り」なんだそうなので、たぶん今の富山駅周辺を見るとビックリするのではないかなあ。富山市総合体育館も、昔はパッとしない建物でしたが、今では富岩運河環水公園の隣にあるし、いちおう駅から歩いていけるし、スポーツの「ハコ」としては悪くないのではないかと思います。
〇さて、それとはまったく関係がないんですが、次の週末にこんなのをやります。
●オデッセイ 夏の世界情勢オンラインセミナー
* 開催日時:8月8日(土)20:00〜21:30
* 講演者:石井順也さん、吉崎達彦さん
* テーマ:「AIと国際情勢(仮題)」
* 使用会議ソフト:Zoom
* 参加費:4,000円(税込)
※ライブで参加できない場合でも、後日録画でご視聴いただけます。
〇サカナAIに転じた石井さんから、AIのお話をいろいろ教わりたいと思っております。よろしかったら覗いてみてくださいまし。
<8月3日>(月)
〇月曜日だが、今日は大阪に行く用事はなく、新幹線に乗ることもない。5月の連休を1回だけ挟んで、あとは15週連続で続いた大阪への「通勤」が終わった。昨日で274枚の答案はすべて採点済みなので、あとは期限までにマニュアルに沿って、全員の成績を登録すればよい。が、これはこれで気が滅入る作業である。不合格、あんまり出したくないよなあ・・・。
〇とりあえず4月からやってきた新しい仕事が一段落した。「人生初めての仕事」に取り組むのは、もちろん大変ではあるのだけれども、得られるものは大きい。そして来年も授業があるとしたら、いろいろ改善すべき点があるとはいえ、1年目とは比べものにならないくらい楽な仕事となるはずである。「経験値」とはまことに異なものである。
〇答案の論述部分を読みながら、「うーん、これはBかなあ、Cかなあ・・・」と迷いながら終わりのところまできて、「先生、東京から毎週、お疲れさまでした」みたいなことが書いてあったりすると、ついホロリと来て評価を上げてしまうことが何度かあった。情実に負けるべきではないのかもしれないが、こういうことをサラリと書ける学生は、たぶん長い人生で自然にトクをするタイプなんだろうなと思う。いや、お気持ちありがたく頂戴しました。
〇一方で、あの授業のこの部分とこの授業のこの部分を結び付けて、こんな風に解釈してくれるヤツがおるのか!などという答案にめぐりあったりすると、これはもう深くふかく感動するしかない。俺、いいこと言ってたじゃないか、などと思ったりもする。いや、反省点も負けず劣らずに多いんですけどね。
〇ともあれ、大学教育という仕事の一端に関わることができました。昨年末の「シラバス」作りから、正直、いろんなことが「苦難」の連続でありましたが、この苦労を知ってるのと知らないのでは人生、大違いであります。奥の深い仕事であることも充分に窺い知れました。本当に貴重な機会を得たなあ、と感謝しかないです。
<8月4日>(火)
〇本日は専門誌『外交』の座談会収録で時事通信社へ。
〇テーマは米中間選挙。まあ、出るのは9月になるので、その頃には果たしてどうなっていることやら。加えて11月3日にどんな結果が出るのやら。「中間選挙後の世界」なんてテーマもあったのだけど、アメリカ政治はそれ以前も充分に大変だと思いますぞ。
〇この雑誌、次号は通巻99号だそうであります。考えてみたら、ワシはこの雑誌の創刊当時、ちょうど「3/11」の直後であったが、編集委員だったのではなかったか。震災の混乱が続いていて、民主党政権下でもあり、「外交」を考えるどころではなかった頃である。日経の春原さんもメンバーだったなあ。亡くなられちゃったけど。
〇ご一緒するのが前嶋和弘先生、三牧聖子先生であるから、まあ、勝手知ったる世界ではあるのだけれども、お二人ともちゃんと大学で教えておられる、ということに今のワシ的には頭が下がる。「今の2007年生まれの学生たちは、物心がついた時にはもうトランプですからねえ」「オバマのことだってよく知りませんからねえ」と言われると、これはもう深く頭を下げるしかない。
〇そうか、経済学はまだしもそういう苦労が少ない方なのだ。一方で、「あ、こいつら、『プラザ合意』は高校の授業で歴史として学んでいるんだ」ということに気がついて、「自分にとっては同時代史なんだけどなあ」とギャップを感じるところであった。
〇その昔、中山俊宏さんが「今の学生にとっての『レーガン』は、僕らにとっての『アイゼンハワー』と同じです」と言っていたことを不意に思い出す。今じゃレーガンだって、「誰それ?」でしょう。共和党はかつてはリンカーンの政党で、それがレーガンの政党になって、ブッシュ家の政党にはならなかったけれども、今じゃ立派にトランプ家の政党である。いいのか、そんなんで。
〇レーガンはともかく、サッチャーさんは今の首相のお手本ということでかろうじて残っていそうではありますが。そういえば高市さん、睡眠不足だけではなくて、「アイロンがけもしている」というアピールがありましたけど、ああいうのを「アイロンレディー」(鉄の女)と言うのでしょうか。そうだとしたら、いささか勘違いではないかと考えるものであります。
<8月5日>(水)
〇注目のミシガン州予備選挙、上院議員候補は僅差で進歩派のアブドゥル・エル=サイード氏が中道派のヘイリー・スティーブンス氏に競り勝った模様。事前に予想されていたような大差ではなかった。ということは、本選挙ではきっと共和党のマイク・ロジャース候補に分があるんでしょうなあ。
〇ミシガン州は全米で7つしかないパープルステーツである。そういう場所では、レッドステーツ(24州)やブルーステーツ(19州)とは違う戦略で臨まなければならない。レッドステーツはMAGA派の候補者を立てればいい。ブルーステーツは進歩派の候補者でいい。間違っても本選で負ける気づかいはない。ところがパープルステーツでは、無党派層を味方につけなければならない。
〇だったらそこは計算づくで中道派の候補を勝たせるべきなのだが、民主党支持者は得てして候補者に「恋に落ちてしまう」のである。今回の場合は、エル=サイードがよく見えてしまったのでしょう。ミシガン州はアラブ系人口が多い、というのもありましたので。
〇トランプには悪い癖があって、パープルステーツにMAGA派の候補者を立てて負けてしまう。2022年の中間選挙はそれでしくじったようなものなのだが、今回は民主党がそれを真似しているように見える。極右と極左は相通じるものがある。人は敵の姿に似る、というのは哀しいかな真実のようである。
〇トランプさんは既に待ち構えていて、「社会主義批判」で民主党進歩派を叩き潰そうとする。そして無党派層には「社会主義」嫌いが少なくない。岡目八目的には、「民主党もよせばいいのに・・・」としか思えない。上院で多数を取れるかどうかは、大きな分かれ道となるはずなのだが。
<8月7日>(金)
〇ちょっとしたご縁があって、昨日は宮内庁に行ってきました。いや〜まことに興味深いところでありました。
*千代田線の二重橋前駅で降りて、坂下門まで歩く。これが遠い。どれだけ歩いても、坂下門に近づいた気がしない。なんだか北京の街を歩いている感じ。周囲に居るのは外国人観光客ばかり。職員の方々の通勤は大変じゃないかと思う。普通の役所は地下鉄のすぐ上にありますからねえ。
*坂下門で手続きをして、面会証を受け取ります。対応してくれるのは皇宮警察です。とても親切な方々でした。
*宮内庁の建物はとってもクラシックです。「侍従職」とか「式部職」といった看板が下がっていて、重々しく感じられます。
*ごく普通の職員食堂があって、定食メニューがあります。「那須牛乳」を売っていて100円でした。
*宮内庁には「車馬課」という組織がある。つまり重要な移動手段である「クルマ」と「馬」を整備するセクションである。ちゃんと馬房もありますぞ。各国大使による信任状奉呈式の際に、東京駅から皇居まで馬車が使われることは有名ですが、7〜9月は暑いので馬車はお休みだそうです。
〇見ていて、「ああ、普通に税金を使ってやってる仕事なんだなあ」というリアリズムがある一方、伝統と格式をいかに守り抜くか、という日本の組織ならではのこだわりが随所に感じられる場所でありました。確かに、「馬車」を使っている国はもう少ないでしょうなあ。日本国の信任状奉呈式は「1日2人まで」と決まっていて、たいへん丁寧にやっているのだそうです。
〇皇居は、かつて江戸城天守閣があった「皇居東御苑」の一帯は一般に公開されています。陛下のお住まいである「吹上御苑」の一帯は、もちろん立ち入り禁止です。それ以外の公的な部分、宮殿や宮内庁庁舎の周辺などは「参観」が可能です。なるほど、税金を使っている仕事ですからねえ。
<8月8日>(土)
〇本日は令和8年8月8日。末広がりで縁起がいい、ということなのか、結婚の届け出を出す人が多かったそうです。
〇そんな日の午後8時から、こういうイベントをやっておりました。サカナAIの石井順也さんを相手にAI談義をしておりました。
●オデッセイ 夏の世界情勢オンラインセミナー
〇今じゃAIがなかったら溜池通信も出せません。不断の「カベ打ち」があるのみです。チャッピー先生、最近は「かんべえさんがこのテーマでコラムを書くのなら、こういう書き出しにすると刺さるんじゃないですか?」みたいなことを言ってくる。まことに油断がなりませぬ。
〇とはいうものの、AIはメシを食ったこともなければ、カネを払ったこともない。ただ、ネット上のあらゆる情報を読み込んでいるだけの存在である。そして電気が続く限り、永遠の命を有している。
〇それに比べれば人間は、寿命は有限だし、メシを食わねば腹が減る。いつまでカネが続くかの心配もしなければならぬ。だからこそ、人間の値打ちがあるわけでありまして。そこに疑いを持ってはなりませぬぞ。くれぐれも。
<8月10日>(月)
〇筆者が借りているレンタルオフィスは、日比谷セントラルビルという建物の中にある。テナントで言えば、ワーナーブラザーズが入っているのだが、それ以外に三井物産の子会社が多く入っている。最近になって判明したのだが、何とこのビルがあった辺りは1976年までは三井物産が居たのだそうだ。だからビルの管理は三井物産都市開発なのである。
〇そういえばすぐ隣に、「物産ビル」という古めかしい建物がある。どう見ても天下の三井物産とは無縁に見えるのだが、そうか、あれはきっと古い建物がそこだけ残っているのであろう。ともあれ、西新橋から内幸町にかけての一角は、今の大手町に移る前の三井物産が所有する建物が多かったのだそうだ。
〇それ以前には、日産コンツェルンの「日産館」があった。それが戦時中に帝国海軍に接収され、戦後は外務省や厚生省が使用していた時期もあるという。ははあ、この一角にはそんな歴史があったのでしたか。
〇日比谷セントラルビルのお隣は「ヒビコク」こと日比谷国際ビルである。ここに以前はNHKがあった。今の「渋谷区神南」に移転する前は、「千代田区内幸町」だったのである。ワシは小学生の頃によく詰将棋の答えを書いたハガキを出していたので、かろうじて記憶にある。
〇ご近所にある「富国生命ビル」はかなり歴史が古い。双日が入っている「飯野ビル」も歴史は相当に古い。立て直される前の飯野ビルは、それはそれはクラシックな建物で、飯野ホールではよく落語をやっていたと聞く。
〇てな話を先日、プレスセンタービル10階の「アラスカ」でやっていたら、その場にいた老ジャーナリスト氏曰く。「自分は旧・日石ビルの5階にあった岸信介の事務所に取材に行ったことがある」。ひえ〜、それって安倍さんのお爺ちゃんじゃないですか!
〇老ジャーナリスト氏は時事通信社OBなので、当時は日比谷公園の中にあった本社ビルから5分ほど歩いて、今の日比谷セントラルの反対側にある西新橋スクエアにあった「昭和の妖怪」の事務所を訪ねて行ったことになる。
〇半世紀前の東京は今とはまるで景色が違っていたことになる。今も内幸町は大規模な再開発の工事中なのだが、50年後にはまたビックリするほど変わっているのでしょうなあ。
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編集者敬白
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by Kanbei (Tatsuhiko
Yoshizaki)