●かんべえの不規則発言



2020年2月 






<2月1日>(土)

○最近、いろんな人から聞いた話で、「ああ、なるほど」と感心したことをいくつかメモ。


●某テレビ局の方から

「『日本はこんなにスゴイ』という番組は見てもらえるが、『ファーウェイにもサムソンにも抜かれて、今はこんなになっている・・・』みたいな番組は、低視聴率の上に、苦情の電話がいっぱい来てしまう。日本に警鐘を鳴らすような番組は、もう作れないかもしれない」

――ついでに「反日メディア」とか言われてしまうのでは、やってられませんわなあ。


●元国家公務員の方から

「役所では次官が決めたことでも、新聞に叩かれたらすぐに変えなきゃいけなかった。民間企業では社長がいいと言ったことは、そのまま変えなくていい。転職した時に、なんて楽なんだろう、と思った」

――なんの、最近は民間企業でもネットが炎上するとすぐに変えなくちゃいけません。この点はお互い様ですな。


●元駐在員から

「SARSのときも中国に居たけど、あのときと全然変わっていない。野生動物の市場もあのときに閉鎖したはずだったのに、結局、元通りだものなあ。でも、ひとつだけ違うのは、昔の武漢はただの内陸都市だったけど、今は交通のハブになっていること。経済活動のスローダウンは、かなりきついかもしれない」

――先日、BBCのニュースを見ていたら、「武漢市は人口1300万人。中国では7番目で、ロンドンよりも大きい」と報じていました。それを考えたら、今言われている現地の感染者数は、ちょっと少な過ぎるような気がします。


●さる沖縄県出身者から

「沖縄の結婚式と内地の違い。@呼ばれても来ない人がいるし、呼ばれてないのに来る人もいる。だから人数が読めない。A新郎新婦にいちばん近い席に家族が座る。B偉い人のあいさつがない」

――@は困るけれども、AとBはそっちの方が良いのじゃないだろうか。


<2月2日>(日)

〇今週の予定。以下は全部アメリカの話なので、日本は1日遅れになります。


2月2日(日) スーパーボウル(マイアミ)→トランプ陣営が高額CMを放送予定。

2月3日(月) アイオワ州党員集会→誰がトップになるか。バイデン対サンダースの勝負が見もの。

2月4日(火) 一般教書演説→弾劾裁判中の大統領による一般教書演説は21年ぶりです。

2月5日(水) 弾劾裁判の最終判決→トランプ大統領は無罪放免となる公算大。

2月7日(金) ニューハンプシャー州で民主党が8回目の大統領候補討論会→週明け11日火曜日がニューハンプシャー州予備選挙。


〇まさしくトランプ劇場というべき一週間になりますな。やれやれ、どっこらしょ、であります。

〇ところで本日は、家に閉じこもって新しいPCのセットアップにいそしんでおりました。そうなんです。今頃になってWIN10機に移行しつつあるのです。今日の分は新しいPCからの更新です。あー疲れた。


<2月3日>(月)

〇注目のスーパーボウルは、AFCのカンザスシティ・チーフスがNFCのサンフランシスコ49ersを破りました。途中までは10−20で49ersが押していたのですが、チーフスがとんでもないロングパスを決めて流れが変わり、最後は31−20となりました。これはアノマリーから行きますと、今年は共和党大統領が有利な年ということになります。

〇60秒1000万ドルを用意したCMは、こんな感じだったようですね。意外と地味ですけど、多くの政治家が「言うばっかり」の犯罪者救済も、トランプはちゃんとやってるぞ、という内容でした。これに対するブルームバーグ候補も、銃規制問題を取り上げる地味目のメッセージでした。もっとお互いに激しくやりあうかと思ったのですが。

〇トランプ大統領はわざわざ1月30日にアイオワ州に乗り込んで集会をやったりして、元気いっぱいな様子であります。2400人のボランティアが参加したそうですから、まだまだ人気は大したものです。だってアイオワ州は、再選のためには落とせない州のひとつですからね。

〇そこで行われる民主党のアイオワ州党員集会は、日本時間の明日午前10時ごろから始まります。午後には大勢判明ということになるでしょう。4年前の惜しい結果もありますので、やっぱりサンダース旋風が吹き荒れるのでしょうか。バイデン陣営は、「ここで負けてもたいしたことはない」などと今から予防線を張ったりして、やはり劣勢を意識している様子。不肖かんべえはエイミー・クロブチャー候補推しなのですが、アイオワ州は「15%以下足切りルール」というのがあって、彼女にはいささか不利かもしれません。

〇本日は日本個人投資家協会さんに行って、アメリカ大統領選挙に関する番組収録をやったのであります。勝手知ったる木村喜由さんを相手に、つい口を滑らせて、「まあ、アイオワ州党員集会は競馬でいえば、弥生賞みたいなものです。それから先、皐月賞、ダービー、菊花賞とありますから、まだまだ先はわかりません」と言ったら、「むしろ朝日杯のほうが重要かもしれませんね」と返されてしまいました。木村さんも重度の競馬ファンなのでありました。

〇思わずつられて、「最近はホープフルステークスもできましたからねえ・・・」などと競馬論議になりかけてしまいました。いかん、いかんです。明日の開票結果に注目いたしましょう。


<2月4日>(火)

〇このところ丸々1週間も「アイオワ州党員集会」の結果予想に血道をあげてきたのですが、「結果が出なかった」という本日の結果にはあきれ返ってしまいました。さすがに温厚なワシでも怒るぞ。

〇集計のアプリがいかれてしまいました、というのは言い訳にならんだろう。そんなもん、手作業で十分ではないか。たかだか17万人程度(2016年実績)の投票である。投票所もたかだか1700か所くらいである。電話とファックスでやればいいじゃないか。台湾総統選挙だと、投票所がある小学校の黒板に皆で「正」の字を書いて集計するんだぞ。なぜ、その程度のことができんのか。たかが足し算であって、複雑な関数を使うわけじゃないんだから。

〇そもそも今回の党員集会には、ロシアか中国によるハッキングだって予想されていたはずだ。それでアプリが吹っ飛んだ場合の「PlanB」はなかったのだろうか。事前に「最悪、手作業でやるぞ」とスタッフ一同が腹をくくっていたら、こんな恥ずかしい事態は起きなかったはずだ。とんでもないド素人集団であったとしか思えない。こんなことなら、次回からはほかの州で「最初の党員集会」をやってもらう方がいいのではないだろうか。

〇トランプ大統領はツィートで"Big WIN for us in Iowa tonight. Thank you!"だとか、"The Democrat Caucus is an unmitigated disaster. "だとか、嬉しそうに言っているぞ。そりゃそうだ。自分たちの選挙がまともに運営できない政党に、財政とか国防とかヘルスケアシステムとか、もっと難しい、足し算だけでは済まないような仕事を任せることができるのか。情けない。

〇ちなみに今日の午後にNY Times紙が出していた集計によると、1位サンダース、2位ウォーレン、3位ブティジェッジ、4位クロブチャー、5位バイデンになっていた。バイデンの5位はさすがに「事件」だが、この程度のことが起きるのが古来、アイオワ州党員集会の伝統というものであって、あんまり驚く気にはならない。まあ、明日になれば正確な数字が出るのだろうけれども、「党本部はバイデンの不出来な結果を隠したかったのだ」みたいな陰謀論が出ても不思議はないところである。

〇ということで、脱力感が甚だしい。今宵のビールは回りが早いぞ。アメリカ大統領選挙をこよなく愛してきた者の一人として、ふざけんなアイオワ州、バカヤロー、真面目にやれ!と口汚く罵りたくなるワシを誰が責められよう?


<2月5日>(水)

〇今日になってもアイオワ州党員集会での最終結果の数字は出ておらず、71%の中間発表の数字が出回っている。それでいちおう、「ブティジェッジが勝った」ということになっている。ブティジェッジ26.8%、サンダース25.2%、ウォーレン18.4%、バイデン15.4%、クロブチャー12.6%である。

〇そうだとしたら惜しいことをしたものである。2月3日夜時点でブティジェッジが勝利演説をしていたら、それは衝撃を持って全世界で受け止められ、ユーチューブに載った映像は何百万回転もしたはずである。2008年のオバマがちょうどそうだったように、民主党にはすごい追い風が吹いたことだろう。逸失機会のなんという大きさよ。逆に言えば、負けたバイデンの傷が浅くて済んでよかったね、といったところだろうか。

〇一夜明けたら、2月4日は一般教書演説(State of the Union)である。トランプさんは、48日前に自分を弾劾訴追した下院本会議場において、生涯で3度目のSOTUをぶつわけである。やはり含むところがあったと見えて、壇上に登ったトランプ氏、ペローシ下院議長が差し出した手を軽く無視。他人行儀に演説をおっぱじめる。

〇トランプさん、弾劾のことには一言も触れず、昨日のアイオワ州党員集会のことも変な突っ込みを入れたりはせず、ツィートの人格とは全く違う「大統領らしい」演説でありました。いや、さすがに3回目ともなるとお上手になっていて、いや、これは見ている側が慣れたのかもしれないのだが、とにかくご立派。しかもトランプ劇場、リアリティTVよろしく、あっと驚くような仕掛けがいっぱいあるのです。


●ベネズエラで暴虐の限りを尽くしているマドゥロ大統領に対抗して、反対運動を行っているグアイド議長(暫定大統領)を会場で紹介する。「ベネズエラの人たちにメッセージを伝えてくれ!」と呼びかけると、民主党の議員も立ち上がって全体が拍手。そのうえで、「やっぱり社会主義はいけない」と、その場にいる誰かさんをあてこする。

●フィラデルフィアの小学生とそのシングルマザーを会場に呼んで、「この子はもっといい学校に行きたいのに、そのチャンスがない」といって同情を誘い、「でも奨学金を出してあげるから」と言って親子を喜ばせ、ついでに「議会は100万人の子供のための奨学基金に予算をつけてくれ」と呼びかける。

●すでにステージ4の肺がんに冒されている保守派のラジオトークショーのホスト、ラッシュ・リンボーを会場に呼んである。長年にわたるリンボーの活動を褒め上げ、その場で「大統領自由勲章」を授与すると告げる。その場で、メラニア夫人から贈呈を受けたリンボー、柄にもなく完全に目がうるうるしてました。

●お父さんがアフガニスタン戦線に行っている家族をその場に呼んで、前線の兵士の苦労をたたえる。ところがお父さんは実は帰ってきて、その場で妻子と感動の再会を果たす。・・・・いや、これは完全に読めていたけど、ついホロリとさせられましたな。ずるいよ、これは。


〇いやもう、全体で1時間半もかかるのである。全体に「あれもやった、これもやった」「今のアメリカはこんなに良い」(でもこれからがもっとよくなる=The best is yet to come=最近のトランプさんの決め文句)と景気のいいことを言い、さらにゴリゴリの保守層向けにRed Meat(イスラエル支持、公立校での祈りの時間、中絶禁止、銃保持の権利保護などなど)を投げかける。不法移民取り締まりの強化や、オピオイド中毒が改善している(しかも中西部のラストベルトで!)などという、トランプ流のネタもてんこ盛りであった。

〇壇上のペローシ下院議長、演説が終わったら一般教書演説をビリビリと破いておりました。これで明日には上院で弾劾裁判の評決が行われて、トランプさんは無罪放免になってしまう。やることなすこと裏目に出ちゃっているんだもん。でも、よりによって2月4日に大統領を招待したのは下院議長ですから。

〇明日の注目は弾劾裁判。100人の上院議員が陪審員を務めます。67人の賛同(=有罪)は得られないまでも、53人の共和党議員から何人の造反者(=有罪)が出るかが見もの。ただし、47人の民主党議員からも造反(=無罪)が出るかもしれず、それはそれで興味深いところです。


<2月6日>(木)

日本個人投資家協会さんで撮った番組が、ユーチューブに投稿されましたのでご紹介まで。今年のアメリカ大統領選挙の序盤戦情勢について木村喜由さんとともに語り合っております。


●動画リンク https://www.youtube.com/watch?v=9RJK2wkt_zA&t=5s 

●Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UChVxGhqCqGJN9gbtRAX-PFg 


〇いつも思うことですが、4年に1度、米大統領選挙を体験するたびに、「なんだ、あれはこういうことだったのか」とか、「俺はこんなことも知らなかったのか」などと思い知らされることの連続です。今週1週間で、どれだけそういうことがあったか。

〇それはそれとして、ユーチューブへの進出機会をもう少し増やしてみてもいいかなと感じました。若い世代は今やテレビよりもユーチューブなんだそうで、そうだとすると今後、いろんな文法が変わってくる可能性がありますね。なにしろ放送法が関係ないんだものなあ。もっとも昔のテレビは、今のユーチューブのように自由な空間だったのですが。


<2月7日>(金)

〇今週のアメリカ政治における3つのイベント、すなわち「アイオワ州党員集会」(2/3)、「一般教書演説」(2/4)、「大統領弾劾裁判の評決」(2/5)は、もちろんそれぞれが連続した事象であり、やむに已まれぬ事情が交錯してこんな変な日程が出来上がったわけである。

〇この結果として、トランプさんは呵々大笑し、ペローシ議長は原稿を破っちゃうし、サンダース候補はたぶん怒り心頭であり、ブティジェッジ氏はきっと不満を持っていて、ミット・ロムニー上院議員は孤独をかみしめていたりする。いや、この人間絵巻の面白いこと。

〇ところがこういうとき、アメリカウォッチャーが解説を求められるのは、それぞれ単独の問題であることが多い。この3つのイベントを串刺しにしてお話しする、なんて贅沢なことはなかなかできるものではありません。時間もないしね。

〇ところがたまたま不肖かんべえ、今宵はBS11「インサイドOUT」に呼ばれていたし、明日はたまたま東洋経済オンラインの当番であったから、「3つ全部を通して」語ったり書いたりする機会があったんですねえ。自由な発言機会に恵まれる、というのはまことにラッキーなことだったと思います。


<2月9日>(日)

〇先週、忙中閑ありで「第17回日本文化研究会」に参加したときのことを書き留めておきましょう。

〇同好の士が集まって、「目黒でさん喬師匠の噺を聴く」という会です。なぜ目黒かというと、ワタナベエンターテインメントのカレッジがある「中目黒館」を会場としてお借りしているから。いやー、ワタナベエンタテインメントって、こんなにたくさんの芸人さんが所属しているんですね。なんと文化人枠には、ひふみんさんも居るぞ。いや、世の中にはこういう世界があったのですな。

〇この日の柳家さん喬師匠は、まず「妾馬」(めかんま)――別名「八五郎出世」を一席。いつも浅草演芸ホールみたいなところで、短い噺しか聞いていない身としては、これだけでおなか一杯になってしまいそうである。しかしこの日は皆さん、「双蝶々」(雪の子別れ)を聞きに来ている。フルに演じると2時間かかるという大作であるから、まずは普通に聞けるチャンスなどほとんどない。放っておくと、失われてしまうかもしれない文化財である。

〇いやはや、すごい噺、すごい迫力でありました。ひとことで言うと、「悪いヤツ」の物語なのである。人はなぜ悪に染まるのか。いろんな偶然が重なって、どうにも避けられなくて、「双蝶々」の長吉は悪の道に走ってしまう。最前列で聴いていたこともあって、さん喬師匠の鬼気迫る語り口にドキドキしてしまう。

〇これに親子と夫婦の情愛という物語が重なる。悪に走った子と再会する長兵衛。長兵衛と長吉の親子だから、「蝶々」なのかと後になってから気が付く。そこで親子の間にどんな感情が飛び交うかといえば、そこはいまの時代となんら変わることがない。勧善懲悪でもなければ、お涙頂戴でもない。とてつもなくリアルで哀しい物語なのである。こんな噺を生み出した江戸時代とは、なんと精神的に高度な時代だったのだろう。

〇終わってからさん喬師匠が曰く。「今日の噺は、今日のお客さんと私の共有物です」。噺家と客は対等の関係であって、高座はその都度、一回限りの勝負なのだそうだ。ということは、聴いている側も落語という芸に参加しているといえるのだろうか。ともあれ、いい体験をさせてもらいました。なんにしろ、「初めてのこと」を知るのはいいものです。

〇気が付けば、おのれも人前でお話しする仕事をするようになって久しく、日本経済やらアメリカ大統領選挙やらをネタに、ときには1時間半という長い尺で壇上に立つ。パワポがあったり、質疑応答があったりもするのだが、その都度、一回限りの勝負だということは同じかもしれない。そういえば明日も講演会があるのであった。さて、どうしましょう。


<2月10日>(月)

〇最近出たこの本は面白かったですな。ちょうど予備選挙が始まったこともあって、この手の書籍としては良いタイミングだと思います。


アメリカ大統領選 勝負の分かれ目(日経プレミアシリーズ) 大石格


〇なんというか、本書はオタク感があってよろしい。著者は日経新聞の政治部記者。日本の選挙をよく知っている人が、ワシントン支局長を経てアメリカ選挙についてもオタクになった。だから選挙を見る目がリアルで辛辣で面白い。しかも本日伺ったところ、大学時代はビルボード研究会に所属していたとのことで、音楽やスポーツに関する造詣も深い。トランプ氏がいかなる理屈でスポーツに介入しているかなど、教わるところがまことに大でありました。

〇さて、今回の選挙戦においては民主党は候補者が乱立気味である。これは前回の2016年選挙において、早い時期から党指導部が「今回はヒラリーで行きましょう」と決め打ちをして、その結果が良くなかったという反省の上に立っている。だからなるべく放任主義で予備選挙を運営している。普通だったら、当選可能性皆無であるはずのアンドリュー・ヤンみたいな台湾系アメリカ人までが候補者になり、しっかり生き残っている。

〇でも、それはたぶん無駄玉ではなくて、これを契機にアジア系の民主党支持者が増えるかもしれない。将来の支持者を開拓する戦いだと考えれば、2020年選挙で思い切りウイングを広げることは、それなりの意味があることなのだろう。ちょうど2004年選挙において、ハワード・ディーン旋風が吹き荒れたことが民主党支持者を左に広げることとなり、4年後のバラク・オバマ登場の露払いになったように。

〇その一方で、今年の民主党は高齢の候補者が多くなっている。日本だったら免許証を取り上げられ、株取引さえ制限を受けてしまいかねない後期高齢者の方が複数、大統領を目指している。しかるに78歳のサンダース候補の場合、高齢者の支持は少なくて、若者の支持が多くてしかも熱いときている。こういうのはいったいどうしたものでしょうか。

〇サンダースさんは、アイオワ州党員集会で2016年は0.3%差でヒラリーに負けて、今年は0.1%差でブティジェッジに負けている。これが単なる偶然であると、本人や支持者が信じるだろうか。「俺はこんな結果は認めない!」という方がよっぽど自然である。

〇実はサンダース支持者というのは、そのものズバリ「左のトランプ支持者」なんじゃないかという説もある。以下の表の元ネタはこちらをご参照。

トランプ サンダース
老人である(73歳) 老人である(78歳)
白人である 白人である
怒りっぽくて憎しみが深い 怒りっぽくて憎しみが深い
男性である 男性である
潔癖症である 潔癖症である
人種差別主義者(その自覚あり)   人種差別主義者(その自覚なし)
批判や責任を受け付けない 批判や責任を受け付けない
組織は混乱の極み 組織は混乱の極み
真の共和党員にあらず 真の民主党員にあらず
チームプレイヤーにあらず チームプレイヤーにあらず
ポピュリストのレトリック ポピュリストのレトリック
支持者の多くは男性のカルト 支持者の多くは男性のカルト


〇サンダース大統領が誕生するくらいであったら、ワシ的にはトランプ再選のほうが良いのではないかと思う。なんとなれば、トランプ氏は自分がプロレスをやっていることに対して自覚的である。サンダース氏は、たぶんそうではない。おそらく彼は、真の怒りに突き動かされている。だからブレがないと言って支持者が増える。しかし、それはあまりにも危険なことではないか。

〇喩えていえば、トランプさんは万が一にも核ミサイルのボタンは押さないだろう。しかしサンダースさんの場合は、下手をすると「気候変動に対する危機感が薄い!」と言って他国を罰しかねない。この辺が「左のトランプさん」の怖いところである。

〇そのサンダース候補は、2月11日のニューハンプシャー州予備選挙では「当確」に近い情勢である。これはまあ、地元ヴァーモント州の隣であるし、2016年選挙でも大差で勝っているしという事情が重なる。ブティジェッジ候補はどこまで迫れるか。このドラマは日本時間では今週水曜日のお楽しみ、ということになるでしょう。


<2月11日>(火)

〇祭日ではあるけれども、「くにまるジャパン極」があるので浜松町の文化放送へ。このところ毎回のように、アメリカの大統領選挙予備選挙について語っている。今日はニューハンプシャー州予備選挙。明日の昼頃には結果が出ているでしょう。明日はプライマリーなので、先週のコーカスのような混乱は起きないと思いますが。ええ、是非そうであってほしいものです。

〇終わってから浅草へ。今日は全く中国語が聞こえてこない浅草である。それでも結構、混んでいる。まあ、5年くらい前の東京はこんな感じだったですな。外国人向けの貸衣装屋さんが暇そうにしてましたな。ヨシカミを覗いてみたら、長蛇の列ができていた。繁盛してますなあ。

〇浅草演芸ホールに入ってみる。ここも外国人観光客とは無縁な場所である。先週、長い噺を聴いたばかりの柳家さん喬師匠も出ている。が、まるで別人のようで、本日は軽い話芸であった。もちろんここは浅草なので、それはそれで良いのである。

三遊亭歌武蔵(うたむさし)という噺家が面白い。体型がどう見てもお相撲さんなのだが、本当に元武蔵川部屋で、貴闘力と同期だったというからあきれるほかはない。しかも師匠は先代の3代目三遊亭圓歌だそうである。この人がやる古典落語を、一度聞いてみたいものだと思う。

〇さて、明日のニューハンプシャー州はどうなるか。RCPを見ると、いつの間にかクロブチャーが3位につけている。おお、さすがニューハンプシャーの地元紙がエンドースしているだけのことはある。パチパチパチ。

〇どうでもいいことだが、ブティジェッジ候補のことを朝日新聞はブタジェッジと表記している。何か悪意があるのだろうか。クロブチャーはNHKではクロブシャーになっている。昔は全部、共同通信が決めてくれたものだが、今は結構、ばらばらになってきましたな。(ん、どうやら各局ともクロブシャーで統一した様子。2週間前にワシが「モーサテ」で紹介したときは、クロブチャーだったのですが・・・)


<2月12日>(水)

〇ニューハンプシャー州予備選挙の開票は、順調に進んだようで何よりです。しかし85%を過ぎたところで止まったということは、開票作業のボランティアの皆さんが家に帰っちゃったようですな。ちゃんと徹夜でやれ!と考えるのは、やっぱりどこかズレているのでしょうか。

〇ともあれ上位はこんな感じのようです。(開票率88%)

  代議員数 得票率 得票数
サンダース 9 25.80% 72,021
ブティジェッジ 9 24.40% 68,318
クロブシャー 6 19.80% 55,320
ウォーレン 0 9.30% 25,936
バイデン 0 8.40% 23,569



〇サンダースが首位、と書かれていますけど、おそらく本人は大不満でしょう。だって2016年にヒラリーと二人でNH州を争ったときは、60%を獲得していたのですから。その点、今回はブティジェッジに僅差で詰め寄られている。これはもうピンチといってもいいくらいです。なにしろヴァーモント州は、NH州のお隣りですからね。

〇アイオワ州の結果もそうですが、1位の人が25%前後しかとっていないということは、今年の予備選は長引くということです。やはり4割程度をとらないと、周りがなかなかあきらめてくれない。共和党だとウィナーテイクオールの州が多いので、加速度的に勝負が早く着くのですが、民主党は比例配分の州が多いから、これは持久戦になるかもしれません。お疲れ様です。

〇3着にクロブシャーが頭角を現したのも、いかにも序盤戦らしい現象です。やっぱりアイオワとNHは、事前の世論調査があてにならない。それこそ、箱根駅伝みたいな名勝負を生むのです。NH州はオープンプライマリーなので、共和党員でも「自分は民主党です」と言って投票することができる。たぶん今回はそういう投票が多く入っているのではないでしょうか。

〇なんとなれば、全体の投票数が非常に多い。NH州の人口はわずかに130万人です。最終的な集計はまだ不明ですが、300万人中17万人しか参加しなかったアイオワ州と比較すると、その差は歴然としている。これはコーカスとプライマリーの違いもあるのだけれど、盛り上がったといっていいのではないか。

〇もうちょっとうがった見方をすると、NH州内の「心ある共和党員」たちは、「ここでサンダースがぼろ勝ちすると、トランプが大喜びするかもしれない。だったらここは中道派の候補に入れてやれ」みたいな計算をしたのではないだろうか。こういうこともある、というのがNH州予備選挙の一つのパターンです。

〇野村克也監督が亡くなって、「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」という言葉が思い出されるところです。とはいえこの言葉、当たり前のことを言っているに過ぎない。勝つときは、自分が全力を出さなくても、相手が弱くて勝手に負けてくれることがある。だから「不思議の勝ち」があり得る。しかし負けるときは、大概、全力を尽くしたうえで負けている(自分が手抜きして負けたときは、そもそも負けだとは思わないですものね)。だから「やっぱり相手の方が強かったなあ」ということになる。

〇不思議の勝ちや当然の勝ちを続けていかないと、大統領への道は開けてこない。2020年の戦いは始まったばかりです。


<2月13日>(木)

〇昨年2月にお亡くなりになった松尾文夫さんが、長らく事務所に使っていたマンションを初めて訪れてみた。赤坂にあるワンルームで、ベランダからはちょうど米国大使館のコンパウンドが見下ろせる。部屋の壁面にはぎっしりとアメリカ関係の書籍が並んでいて、特にニクソン政権や米中関係に関するものが多く並んでいる。ここが松尾さんの70代以降の仕事場であったようだ。

〇ご家族にお願いして、松尾さんの書棚にあったトックビル『アメリカの民主政治』(上中下/講談社学術文庫)をもらいうける。この重要な本をワシは持っていない。いや、この本は大事だからと言って、英語版を入手して、そのままほったらかしにしている。いわゆる「読んだふり」というやつである。せめて松尾さんが付箋をつけ、書き込みをしたバージョン3巻を手元においておけば、怠け心をただす良ききっかけになるのではないかと思う。

〇恥ずかしながら、ワシも自宅の近所に小さなアパートを借りている。ちょうど同じくらいの狭さで、同じくらいの量の書籍を並べている。この仕事場、他人の目にはどんな風に映るのだろう、と思ったら急に焦りのようなものを感じてしまった。いつか「断捨離」しちゃうかもしれないけれども、できれば松尾さんのように、80代になっても元気に仕事を続けていたいものである。はてさて、どうなりますか。


<2月14日>(金)

〇アメリカ大統領選挙について、本日の溜池通信で書いた後に偶然、これを読みました。とっても面白い。


●【大統領選挙現地報告】 民主党主要候補集会の特質分析@ バイデン、ウォーレン

●【大統領選挙現地報告】 民主党主要候補集会の特質分析A サンダース、ブデジェッジ


〇さすがは渡辺将人さん、アメリカ大統領選挙の場数を踏んでいるだけあって洞察が深い。これを見ると、バイデンはやっぱり駄目だろうなあ、とか、サンダースには天井があるわなあ、などという実感がわいてくる。こういう現地レポートが読めるということは、なんともありがたい時代になったものである。

〇つくづく感じるのは、政治の世界に日本もアメリカもないな、ということ。民主党の候補者たちが、一気に身近に思えたような気がします。


<2月16日>(日)

「競馬好きエコノミストの市場深読み劇場」担当の編集F氏の呼びかけにより、本日は府中競馬場へ。

〇いつも武蔵野線で行くのだが、柏から府中までは大変に遠い。で、いつもは府中本町駅から競馬場に直行するのだが、本日は初めて駅から外へ出てみた。府中街道を北上して徒歩7分。実は今日は長島昭久衆議院議員の新事務所開きの日なのである。

〇お天気は悪いのだが、事務所は支持者の方々で千客万来であった。ややあって、練馬で行われていた剣道大会の開会式に行っていた長島氏も到着。やあやあと握手ののち、東京18区(武蔵野市、小金井市、府中市)に移った後の戦略を伺う。

〇長島氏によれば、府中市は古来、武蔵野国の国府があったところなので歴史が古い。特に大國魂神社への尊崇の念が強く、その前を通るときに一礼する府中市民が多いという。えええっ、そんなの全然知りませんでしたがな。府中といえば「@ムショ、A馬身、B億円」というのが通り相場であって、刑務所と競馬場と三億円事件と、あとは東芝とサントリーがあるくらいしか知りませんがな。後はワシらの世代はこの曲ですな。

♪愛してると、言っても聞こえない、風が強くて〜♪

〇ここは大國魂神社に行ってみなければなるまい。事務所を出て駅に戻る途中、府中市役所の角を曲がればすぐそこにある。なるほど、言われてみれば雨にもかかわらず参拝者が多い。景行天皇41年、西暦111年に創立されたとのこと。それどころか、「ふるさと府中歴史館」に入ってみると、なんと縄文時代や旧石器時代の遺跡もあった様子。恐れ入りました。

〇しみじみ思うのだが、我々が学習した日本史では、10世紀になって平将門が登場するあたりで、ようやく「東国」が出現する。しかし日本という国は古来、東と西に分かれていて、東にはもともと別の文化圏があったのであろう。西とは違って、東は元来が武家が中心の世界であって、鎌倉時代になってようやくその全貌を現す。この府中市も、そういう長い歴史の一部をなしているのであろう。

〇とりあえず大國魂神社に参拝。ついでに本日の武運を祈りつつ、おみくじを引いてみたら「末吉」であった。うーむ。不吉な予感。案の定、京都記念と共同通信杯は不発でございました。とくに後者は番狂わせでしたが、山崎元さんが単勝から三連複までしっかりとっていたのはお見事でありました。

〇ところで本日、いちばん受けたのが長島事務所の外見なのである。新しい事務所は小ぶりなビルの2階にあるのだが、1階にあるのが「TRUMP」という名前のUSステーキ店。偶然にも、ほぼ同じタイミングで引っ越してきたとのこと。やはり「トランプ」を抑え込まないことには日米同盟も世界平和もない。長島さん、しっかりお願いしますよ。


<2月17日>(月)

〇本日発表のQE、前期比マイナス4〜5%は覚悟してましたが、年率▲6.3%とは大きく下げましたな。一義的には台風19号の被害が大きいと思いますが、消費増税や米中貿易戦争の余波など、いろんな材料が重なって生じた事態だと思います。

〇こうなると、足元の1-3月期も今度は中国発の新型コロナウイルスが主因となってマイナス成長になるでしょう。影響の度合いは、3通りで考えておけばいいでしょう。@短期:インバウンドの減少。これは新型肺炎が収束した時点で反転するはず。A中期:中国発のサプライチェーン問題。特に湖北省はIT部材や自動車部品の生産のハブとなっているようです。B長期:中国経済が本格的な調整過程に入った場合、さらには政治の不安定化にもつながった場合。このBまできたら、ことは世界経済全体の問題に発展するでしょう。

〇仮に1-3月期もマイナス成長だとすると、自動的に2四半期連続のマイナス成長となりますから、これはテクニカル・リセッション、景気後退入りということになります。ちなみに安倍内閣は「名目GDP600兆円」も目標に掲げておりますが、こちらは2019年10-12月期時点で551.5兆円となります。アベノミクスが始まったころがちょうど500兆円ですから、7年かけてようやく1割増しということになりますね。ううむ、やはり600兆円は遠い。

〇これで今週20日(木)に公表される月例経済報告が注目点となりました。そろそろ内閣府は、「緩やかな景気回復が続いている」という文言に引導を渡すべきだと思います。ちなみに1月時点の基調判断は以下のような文章になっている。


景気は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復している。


〇これを一息に、間違えずに、なおかつ笑わずに言うというのは、結構難しいと思いますぞ。今週は19日には1月分の貿易統計も出ます。景気の先行きに目を凝らす1週間となりますね。


<2月18日>(火)

〇午前中に電話に出たら、「産経新聞、正論調査室の××です」という。あ、次の原稿の依頼かな、と思ったら違っていた。「来週予定の正論大賞の授賞式、中止になりました」という。おお、数百人いる出席予定者の、ひとりひとりに電話をかけて連絡しているらしい。さすがは体育会体質の産経新聞。まことにお疲れ様です。とはいえ、これではホテルニューオータニは大変ですな。

〇やはり天皇誕生日の一般参賀中止と、東京マラソンの規模縮小がアナウンスメント効果となっているようである。これはしばらくは、新型肺炎による自粛モードが続きそうだ。3月8日の自民党大会はどうするんでしょう。それから高輪ゲートウェイ駅の開業が3月14日。聖火リレーが福島県で始まるのが3月26日。それぞれ判断が悩ましいところです。

〇中国は3月5日からの全人代を延期している。4月下旬の北京モーターショーも延期だとか。こうなると4月上旬の習近平主席の訪日も難しそうですな。仮に春ごろに収束してくれるとしても、次の目安は6月に天津で予定されているサマーダボス会議ということになる。果たして外国のお客を呼べる状態になっているかどうか。

〇そして今宵は経済同友会時代の出向者の会。もとは30人以上いたはずなのだが、だんだん連絡の取れない人も出てきて、なおかつ本日はドタキャンも相次いで、最終的に集まったのは10人だけ。とはいえ、「風邪をひきました」と言われたら、時節柄「くれぐれもご無理なさらないでください」と言うしかないよねえ。

〇かくして10人が、ちょうど屋形船のような個室で宴会。命懸けの大病を患った人あり、今度市長選に出るかもしれない人あり、毎日、家でテレビで国会中継を見ていて、野党のあほさ加減に怒り心頭という人もいる。ご一緒した日々からは、すでに四半世紀ほどもたっている。ああ、懐かしい。3時間飲み放題で、お代は一人前5000円でした。


<2月19日>(水)

〇以前にご紹介した木村喜由さんとの対談が完結しましたのでご紹介まで。

●ジャイコミチャンネル

〇パート4までが揃っております。よろしければチャンネル登録をどうぞ。

〇アメリカ大統領選挙の予備選ですが、今週末22日がネバダ党員集会です。ここで問題になっているのが、「やっぱり集計アプリは使えない!」ということ。アイオワ州ではそれで大騒動になり、最終結果が出るまで1週間近くかかりました。その後、サンダース候補が数えなおしを要請し、そうしたらやっぱりブティジェッジ氏とは僅差もいいところだそうで、それはそれはお気持ちはわかるわけであります。

〇大統領選挙の予備選というから、何かしっかりしたシステムを予想するのはわれわれの勝手なわけであります。基本的に政党が独自に行っている候補者選びでありますから、担当しているのはボランティアなんです。それもどうかすると高齢者が多くて、「わしゃスマホなんて使ったことない」「大丈夫、孫に教えてもらうから」という人たちだったりする。ちなみにネバダ州の投票所は2000か所もある。混乱は必至じゃないでしょうか。

〇そもそも党員集会などという古い形式をやっているのは、アイオワ州、ネバダ州以外では、ノースダコタ州とワイオミング州、あとはサモアにグァムにバージン諸島と、基本的に人が少ないところだけなのであります。「もうそんなの止めて、全部予備選にしてくれ〜!」という声もありそうなのですが、なかなかそうもいかんわけでして。

〇それにしても、政党の衰退ということをしみじみ感じます。民主党のフロントランナーは、自称民主社会主義者のバーニー・サンダース。そもそも彼は民主党員ではないのです。本当はバイデンがこの人を止めてくれるはずだったのに、今ではブルームバーグが期待の星になっている。彼ってNY市長になったときは共和党員だったのですよね(その後、無所属に転向)。

〇他方、共和党はとっくの昔に「トランプ党」に変貌を遂げていて、古き良き時代のリパブリカンの伝統は地に落ちている。2大政党がともにコントロール不能状態なのです。

〇そんな中でも、昔と変わらぬ安定度を維持しているわが自民党とは、全く不思議な政党と言わざるを得ません。何しろこのご時世に「願いあげましては、細田派なり麻生派なり岸田派では?」で次期総理・総裁が取れますなあ、などという皮算用をしている。おめでたいのか、ありがたいのか。それとも、これも衰退の一種なのでしょうか。


<2月20日>(木)

〇とうとう自民党大会も延期だそうです。たぶん梅雨の時期になれば、この新型肺炎の流行も収まっていることと思いますが、仮に6月に実施する場合、会場をどうやって確保すればいいのでしょうか。

〇ここはひとつ、「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船して、洋上で自民党大会を行うのはいかがでしょうか。なにしろ3000人は収容できますので、キャパ的には余裕綽々です。今回の体験を長く記憶にとどめる上でもよろしいのではないでしょうか。もちろん来賓には野中郁次郎先生をお招きして、「失敗の本質、令和版」をお話しいただくのがよろしいかと。

〇さらに世の中には、東京マラソンが規模縮小になってしまったので、「しょぼーん」としているアマチュア・ランナーが多数いらっしゃるようです。日本国内のマラソンは次々に中止もしくは延期になっていて、こんなことまで地方は東京の真似をしなくてもよいと思うのですが。マラソンファンとしては海外のレースを目指したくても、そもそも慣れていないし、日本から来たとわかると今は意地悪をされてしまうかもしれない。

〇今年前半はいろんな形で「自粛ムード」が出ることは避けられないでしょう。来月に始まるプロ野球も、タイガースやホークスでは応援団は「風船攻撃」は自粛することになるのだそうです。そりゃあ、そうだわなあ。不特定多数の頭上に唾液をふりまいちゃいかんわなあ。

〇問題は、こうして我慢した分を、年の後半にちゃんと取り戻せるのかということ。延期したそのあとの処理を、ちゃんと考えておかないといけません。現状の新型肺炎は、あくまでも「ワクチンがまだ見つかっていないインフルエンザ」に過ぎません。伝染力はかなり強いようだけれども、致死率はそんなに高くはない。だったらそんなに恐れる必要はない。

〇ウイルスというものは、人体を離れては生きていけない存在であります。例えていえば、水虫のようなもの。ワシが死んだら、気の毒だがワシの水虫も死ぬ。だってワシに寄生しているんだから。人間さまあってのウイルスなのである。そこのところ、間違えちゃいけませぬ。


<2月21日>(金)

〇今週もいろんな専門家のご意見を拝聴する機会があった。その中でも印象に残ったのは、戦略家K氏による以下のようなフレーズである。やっぱ天才だな。


●「19世紀末に人口が3000万人もあった日本は世界有数の大国だった。同じ時期のアメリカ合衆国に匹敵する」

――中国とインドが例外的な存在で、それ以外はちょぼちょぼなんですよね。江戸時代の日本は、あの時代においてつくづく立派な国なんです。


●日・英・仏の防衛予算は揃ってだいたい5兆円。しかし守る範囲を考えたら、圧倒的に日本の負担が大きい。これだけ広い範囲をわずか5兆円で守れているのはアメリカのおかげ。

――ホントにそうなんです。北海道と沖縄を同時に守らなきゃいけなくて、しかも島嶼部が多い。林子平や勝海舟はため息をついたはずです。


●中国は街金で日本は信用金庫。それがわかっていても、ついつい街金に手を出してしまう国があるんです。

――街金もさすがにつらくなってきて、最近は「一帯一路」構想もトーンダウンしてきたようです。


●中国は文官の国ですから、もともと「戦わずして勝つ」のが当たり前なんです。

――三国志や水滸伝に慣れ親しんでいると、ついつい変な錯覚をしてしまうのかもしれません。


〇専門家の知恵というのは、接していてまことにためになるのだけれども、ときどき「ここまで詳しい人でも、先行きはやっぱりわからないものなのか」と気づいて愕然とすることがある。いや、それを言ったら不肖かんべえも、なにがしかの分野では「専門家」だと思われているようなのですが。


<2月24日>(月)

〇ネバダ州党員集会についてのメモ。(CCD=county convention delegates

Candidate CCDs Pct. Del.
Bernie Sanders 3,564 46.6% 9
Joe Biden 1,471 19.2% 0
Pete Buttigieg 1,175 15.4% 0
Elizabeth Warren 785 10.3% 0
Amy Klobuchar 345 4.5% 0
Tom Steyer 288 3.8% 0
Tulsi Gabbard 4 0.1% 0


〇サンダースの4割越えは驚異的。ヒスパニック層にも浸透。これでスーパーチューズデーにはテキサス州を狙うという作戦。これがハマると、「1972年シナリオ」(民主党がマグガバンを擁立してニクソンにぼろ負け)が現実味を帯びてくる。果たしてそれでいいのか?

〇バイデンはかろうじて望みをつなぐ。次はサウスカロライナ州予備選挙(2/29)で必勝を期す。が、そのあとは辛そう。なにしろ中道派は候補者が割れている。若いブティジェッジと女性のクロブシャーに食われて、なおかつこの2人が討論会で互いに衝突している。

〇ウォーレンは少しだけ浮上。討論会でブルームバーグをコテンパンにしたからか。ただし資金的にどこまでもつか。最後に撤退するとしたら、誰をエンドースするのか。左派票をサンダースががっちり握っているようなので、その辺のこともそろそろ考えておかなければなるまい。

〇金持ちは喧嘩を売られると、意外と弱いことが判明。普段、慣れてないからでしょうな。ブルームバーグ氏が今までに使ったお金はすでに4億ドル。2016年のトランプ陣営のお金に匹敵する。お金の効果的な使い方という点では、トランプさんのほうが上かもしれない。

〇世の中的には「米大統領選どころじゃない!」という感じだと思うが、コロナウイルスは何しろわからないことだらけなので、ここでは余計なことは書かないようにいたしましょう。
















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編集者敬白





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by Kanbei (Tatsuhiko Yoshizaki)